シオノギ25年ぶりのプレイオフ進出!苦悩の25年を振り返る JDリーグ 女子ソフトボール
2024年度のJDリーグプレイオフが11/9(土)〜11/10(日)まで神奈川県川崎市の等々力球場で開催されます。
シオノギレインボーストークス兵庫は、日本女子1部リーグ時代の1999年以来25年ぶりにプレイオフに進出します。
元シオノギ応援団長としてとても感慨深いものがあり、過去を思い返してしまいます。現役選手達には前だけを見ていて欲しいと思いますが、これまでチームを支えてきた過去の選手達に敬意の意を表したいと思います。
私が塩野義製薬株式会社に入社したのは1991年です。応援団を始めたのが2003年頃からなので、決勝トーナメントに出場した1999年は現地観戦はしておりません。ですので、強いシオノギをあまり見てきませんでした。
2019年から会社のオフィシャルスポーツになったシオノギ女子ソフトボール部。それまでは部活?のような扱いでした。シオノギと言えば、選手は昔からフルタイム勤務です。夕方17時まで仕事をしてから、夜練習。会社からのサポートもあまりなく、チームバスもありませんでした。長年観光バスのヤサカバスにお世話になっていました。今でもあのベージュのボディにえんじ色のラインの入ったバスを見ると「あ、シオノギだ!」と思ってしまいます。
2002年頃から私自身、会場へ応援に行く機会が増えました。それまでは年に1度程度しか行っていなかったので自チームしか目に入らず、気づかなかったのですが、数回会場へ足を運ぶことにより周りが見えてきたのか、他のチームにはあるのにシオノギには応援団がいない、受付もないということに気づきました。実際は、関西のチームなので、尼崎大会や関西近辺ではあったようですが、私は関東近郊ばかり行っていたので何もなかったのです。
当時は、社内に「女子ソフトボール部後援会」というのがあり、後援会事務局が関西の応援も担当していたようです。後援会は一口1000円で毎年更新で受け付けていました。私も当然、毎年入会していました。その後援会費で社員のチケットも購入していました。
2003年頃から私が応援団として活動するようになりましたが完全に私設応援団でした。後援会からは太鼓とハッピ(当時愛称ポポンギャルズ)という文字の入ったオレンジ色のはっぴ)を貸し出してもらいましたが、それ以外の援助(経費面も)は全くありませんでした。それでも応援したいと思うくらい選手達がとても魅力的でした。さらに実を言うと廃部の危機も感じていました。噂では、2006年の兵庫国体までは何とか続けるけど・・・と言う話も耳に入り、どうにかしてソフトボール部の存在意義を高めたいと思いました。
そのためにも企業スポーツらしく、応援団としての応援、球場入口でのシオノギ受付を設置しました。応援用ネームプレートや応援グッズ(プロマイド)は手作りで、のぼりも有志で作りました。さらにブラスバンドがいない代わりにスピーカーを持ち込んで選手の好きな曲を応援歌として流しました。今でこそ、各チームの選手登場曲が主流になりましたが、いち早く取り入れていたのは実はシオノギでした。
時は流れ、2013年〜2014年、私はストライキを起こしました。約10年自費で活動を続け、限界にきていました。応援団のオフィシャル化を訴え続けていたにも関わらず、全く取り合ってもらえず、2013〜14年は応援団をお休みしました。しかしその年はとても苦しく、会場には行っていたものの、応援団のいないスタンドに挨拶をする選手達に申し訳ない思いでいっぱいでした。そして2014年、チーム成績は著しく落ち込み、2部に降格しました。
2015年2部リーグで開幕を迎えたその年に再び応援団長として復帰しました。もちろん私設応援団です。もう純粋に応援したいという思いだけでした。その年、全勝優勝し、一年で一部リーグに復帰しました。2016年から一部リーグに復帰し、応援団長としては3年ぶりの一部復帰となりました。気づいたら他チームの応援体制が強化されており、私設応援団ではあまりにもしょぼすぎると感じました。そこで、また新たに会社にオフィシャル化を訴え始めました。前回の反省からきちんと資料も作成し、自分なりに考えた構想を提案し続けました。約3年かけてようやく会社も動き出してくれ、ソフトボール部の位置付けが大きく変わりました。その時に初めて知ったのですが、そもそも応援団どころか女子ソフトボール部がオフィシャルではなかったのです。
2019年より会社のオフィシャルスポーツとなり、事務局も設置されました。応援団も外部委託することになり、(コロナ渦で状況が変わりその後はわかりませんが)私の役割は終わりました。
とほとんど自分のことばかり書いてしまいましたが、人を動かすのは人です。過去の選手達が私を動かしてくれました。そして今があるんです。昨年、シオノギを退職した時、多くの選手達からお祝いをいただき、私がやってきたことは間違っていなかったと思わせてくれました。
そして、最後になりましたが、今の現役チームは、私達の誇りです。胸を張って挑んでください。
office虹色ソフトボール
代表 神 美穂
