勝利を呼び込む投球とは何か ―第6節で改めて浮かび上がった投手の役割― 2026JDリーグ第6節投手総括 女子ソフトボール

ルーキー曽我部由楽の完封劇、
三輪さくらの意地、山本すみれの火消し
勝利を呼び込んだ投手たちの働きを振り返る

伊予銀行 MWP曽我部由楽投手(中央)  ©️JD.LEAGUE

西地区

連敗を止めた若き力

ルーキー曽我部由楽が止めた8連敗
― 伊予銀行に届けた待望の白星 ―

5/23(土)伊予銀行vs日本精工戦。伊予銀行は開幕勝利し勢いがあったもののこれまで3勝と、4/17を最後に1カ月以上勝利から遠ざかっていた。チームは8連敗中。前日のナイターゲームも延長戦、庄司奈々が粘りの投球も最後の最後で勝利に届かないという、そんな試合が続いていた。

首脳陣がここでルーキーの曽我部由楽を大胆先発起用。愛媛の西条高校出身、171センチの長身の投手。独特のフォームで初回からコントロール良く淡々と投げ続け、終わってみればランナーを三塁まで進めたのは最終回の1回のみ、なんと3安打完封という素晴らしい内容で見事チームの連敗を止める大きな勝利となった。

ルーキーコンビがチームを救った
― 曽我部由楽と梼山りりなが生んだ笑顔 ―

この日の得点シーンでは同じくルーキー、金沢学院大学の梼山りりながソロホームランを放っている。2人の若い力が、チームに笑顔をもたらした。

曽我部由楽投手(伊予銀行) ©️JD.LEAGUE

豊田ラウンドでは壮絶な上位争い
激突した上位4チーム

豊田ラウンドでは上位4チームが集まる壮絶な上位争いが繰り広げられた。織機1勝1敗、トヨタ2勝1敗、SGH1勝1敗、SHIONOGI1勝2敗、トヨタが1位織機に追いつき同率1位となる。

レクシー・キルフォイルが示したエースの底力
― 織機投手陣の厚みを支える存在 ―

土曜日、豊田自動織機vsSHIONOGIの先発はレクシー・キルフォイル三輪さくら。レクシーは5試合ぶりの先発登板。山下、堀脇に負けじと4安打1失点の好投で勝利投手に輝いた。

池上桃花捕手とLexi Kilfoyl投手(豊田自動織機) ©️JD.LEAGUE

三輪さくらが守り抜いた1点
― SHIONOGIを支えた魂の完封勝利 ―

日曜のSHIONOGIvsSGホールディングスでも三輪さくらが先発登場。この日も初回の1点を守り抜く非常にタフな試合展開となったが気持ちが上回り完封勝利を挙げた。

三輪さくら投手(SHIONOGI)©️JD.LEAGUE

敗れても光った小川美沙希
― 1球で勝敗が分かれた好投 ―

対するSGホールディングス先発の小川美沙希も、失点はホームランによる1点のみ。1球で勝敗が決まる厳しい試合となったが、堂々たるピッチングを見せた。

小川美沙希投手(SGホールディングス)©️JD.LEAGUE

トヨタ連勝の陰にジェイリン・フォードあり
― 日本一へ欠かせない二枚看板 ―

トヨタは絶対的エース、メーガン・ファライモに勝ちがつかず、今節は笑顔が見られなかった。ホンダから移籍したジェイリン・フォードが2勝。日本一には2人の力が不可欠となるだろう。

Jailyn Ford投手と切石結女捕手(トヨタ)©️JD.LEAGUE

東地区

ンダを支える日本人投手陣

今節ホンダは2勝。エースのアリー・カーダが3回しか登板せず、余力を残したまま2連勝を飾った。

新宮怜美、2安打完封の快投
― ホンダ浮上を支える若き右腕 ―

下村彩葉が生み出した勝利への流れ
― 試合を作る力がチームを勢いづかせる ―

新宮怜美がミナモ相手に堂々の2安打完封勝利。下村彩葉が日立戦、4回1失点で勝利投手となった。アリーが先週から本調子を取り戻せない中、2人がチームを救う形になっている。2日での失点はわずか2。チームもデンソーと並ぶ同率3位につけ、勢いに乗っている。

新宮怜美投手(ホンダ)©️JD.LEAGUE

下村彩葉投手(ホンダ)©️JD.LEAGUE

山本すみれが変えた試合の流れ

劣勢から逆転勝利を呼び込んだ火消し役

5/24(日)NECvs戸田中央戦。NECはベテラン大塲亜莉菜が先発したが、東地区首位打線につかまり2者連続のホームランを浴びるなど4失点。試合は決まったかと思われた。だが2回、前日7回を投げている山本すみれがマウンドへ。前日の疲れを感じさせないキレのある投球で流れを引き戻す。すると好調のNEC打線が4点を奪い返し同点、さらに7回には、ダメ押しかと思われた2ランホームランを浴びながらも、その裏に3ランホームランで逆転し、劇的な勝利を収めた。

リリーフの価値を証明した7イニング
― 攻撃の流れを呼び込む投球 ―

劣勢の展開でマウンドを託された山本すみれが見事に試合を立て直し、攻撃の流れを呼び込み、勝利に繋げる、リリーフピッチャーとしての役割を果たしてみせた。

左より千葉彩音三塁手・木村友奏一塁手・山本すみれ投手(NECプラットフォームズ)©️JD.LEAGUE

総括

勝利を呼び込む投球とは何か
― 第6節で改めて浮かび上がった投手の役割 ―

完封勝利を挙げた
曽我部由楽、三輪さくら、新宮怜美
首位争いを支えた
レクシー・キルフォイル、ジェイリン・フォード
そして流れを変えた山本すみれ

投手の価値は勝利数や防御率だけでは測れない。
チームを救う一球、流れを変える一球、
そして勝利へ繋げる一球。

第6節は、そんな投手たちの存在感が際立つ3日間となった。

第6節終了時 投手成績

第6節終了時(規定投球回数28)
試合数:14試合

防御率 ベスト10
1位 Kathryn Sandercock(SGH) 0.80
2位 Alana Vawter(デンソー) 1.24
3位 Carley Hoover(ビックカメラ高崎) 1.45
4位 Ally Carda(ホンダ) 1.49
5位 後藤希友(戸田中央) 1.50
6位 Jailyn Ford(トヨタ) 1.52
7位 Georgina Corrick(日本精工) 1.73
8位 三輪さくら(SHIONOGI) 1.76
9位 Madison Penta(日本精工) 1.78
10位 中邨花菜(SHIONOGI) 2.08

勝利数 ベスト10
1位 Carley Hoover(ビックカメラ高崎) 9勝
2位 Jailyn Ford(トヨタ) 7勝
3位 Alana Vawter(デンソー) 6勝
4位 Kathryn Sandercock(SGH) 5勝
4位 Georgina Corrick(日本精工) 5勝
6位 Ally Carda(ホンダ) 4勝
6位 後藤希友(戸田中央) 4勝
6位 三輪さくら(SHIONOGI) 4勝
6位 山下千世(豊田自動織機) 4勝
6位 鹿野愛音(タカギ北九州) 4勝

奪三振 ベスト10
1位 Carley Hoover(ビックカメラ高崎) 84
2位 Jailyn Ford(トヨタ) 66
3位 Georgina Corrick(日本精工) 56
4位 Madison Penta(日本精工) 52
5位 Kathryn Sandercock(SGH) 47
6位 坂本実桜(日立) 45
7位 後藤希友(戸田中央) 44
8位 Megan Faraimo(トヨタ) 43
9位 三輪さくら(SHIONOGI) 41
9位 山本すみれ(NEC) 41

試合レビュー【JDリーグ2026第6節】試合結果・スコア 札幌・那須塩原・豊田・西予 女子ソフトボール

ー記事ー🔗第6節投手総括ルーキー曽我部由楽の完封劇、三輪さくらの意地、山本すみれの火消し勝利を呼び込んだ投手たちの働きを振り返る 各節名をタップして詳細へ JDリー…

〇 第1節投手総括
(上野由岐子が示した開幕の格 揺らぐ絶対エースと“投手2枚時代”の幕開け)

〇第2節投手総括
(勝山美桜ノーノー達成と“若手台頭”の現在地)

〇第3節投手総括
(300奪三振・500奪三振が示す支配力 戸田中央無敗を支える“奪三振投手”の価値)

〇第4節投手総括
(JDリーグは“完投時代”の終わりへ 勝敗を左右するリリーフ陣の重要性)

〇第5節投手総括
(“任される覚悟”がチームを強くする―日本人投手たちの存在感)

“任される覚悟”がチームを強くする―日本人投手たちの存在感 2026JDリーグ第5節投手総括 女子ソフトボール

SGH戦完封勝利でMWP 山下千世選手(豊田自動織機) ©️JD.LEAGUE 豊田織機3連勝の裏側に生まれた責任感 “ダラスの穴”を埋める日本人投手陣の覚悟 7年間チームを支えてき…